価格が定価より高い!発売したばかりなのに…なぜ!?
もともと世界で数個!
など希少価値が高いものであれば価格が高騰するのはなじみがあるところですが、
インターネットが普及し、特にネットショッピングの需要の高まりによって、
便利になったはずなのに、消費者にとっては不便になったこともありますよね。
今回は
欲しいものが店頭で売り切れていて、
ネットショップの価格をみてビックリした経験から執筆しています。
私と同じような経験をして、行き場のない思いを抱いたことがある方は、
この記事を読むことによってその仕組みを理解することができ、
多少の対策もできるようになりますので、興味のある方はお付き合いください。
任天堂 スイッチライト Switch Light
先日、知人が2020年3月20日発売の任天堂スイッチライトを購入しようと、販売店を訪れた時のこと。
人気があるようで売り切れ…仕方なく、車で10分程がそこも売り切れ…を繰り返しながら5店舗目でようやく購入できたとのこと。
移動距離は往復で100キロ以上(笑)
ちなみにその店舗も最後のひとつだったそうです。
と、知人は定価で、しかもその場で購入できたから良かったのですが、
どこに行っても売り切れで、移動ばかりだと時間ばかりが過ぎていく…
そんなときに便利なのがネットショッピングですよね。
移動する手間もなく、数日で自宅に届くからとてもラク!
しかしながら…最近のネットショップは価格が一定ではないところが多いです。
楽天やアマゾンだとこのスイッチライトは2020年4月5日現在で定価+1万以上…でも在庫はある販売者が多いです。
なぜ店頭に並んでいないのにネットショップにはあるのか?
なぜ価格が高騰しているのか?
それはネットショッピングの価格の決定には
その商品の需要と供給のバランスが深く関係しています。
このバランスが何らかの原因で崩れてしまっているのです。
その原因となるものが次に紹介する”転売”と呼ばれる行為が主です。
転売とは?
おおまかに言うと販売を目的とした新品や中古の商品を仕入れ販売すること、といったところです。昨年ライブのチケットに関しては正式に法律で規制が入りました。が、基本的に物販であれば販売元が規制しない限り違法性がないのが現状です。
価格つり上げ!規制されるべき”転売”
メーカーが製造し、そのモノに価値が創られます。流通、小売業などを経て消費者はその価値を手に入れることができるのです。その際に価値に見合った金額を支払うわけですが、需要よりも供給が少ないとそこに希少価値というものが付加されてしまいます。
供給はメーカー側で計画を組んで製造をするのは当たり前で、一定期間をみれば、その供給も一定になるのは必然です。
しかしながら、需要も供給も、お金さえあればコントロールすることができてしまいます。
仮に日本全国で10000個製造して販売するメーカーの商品があったとして、そのすべてを転売を目的とする少人数が買い占めてしまうと、需要と供給のバランスは完全に崩れてしまうのです。
メーカーは予定通りに完売できたことにはなりますが、この商品を求める消費者にはまだ届かないので、需要減らず、生産状況によっては供給が滞ります。
この環境ができてしまうと、買い占めた側はネットショップを通じて、ほぼ自由に価格を決めることが出来るようになるのです。
この状態が頻繁にみられるのが、ゲームやおもちゃなど、子供の欲求を刺激するものです。
子供が欲しがっているものは、例え定価より価格が高くなっていたとしても親心としては買ってしまう…そんな心理を逆手にとっているようにも思えます。
買い占めた人はメーカーの供給が追い付くまで、この商品の供給をメーカーに代わってコントロールすることができてしまう。供給をコントロール出来るなら、需要もまた然り。
そしてこれは新品の商品であれば、この行為は法律上問題ないことになっていますし、中古品だとしても古物商の許可があれば問題ないのです。
だから減らない。
この無理やり付けられた希少価値はメーカーにとっても消費者にとってもメリットと呼べるものではありませんよね?
希少価値が付いた分だけ、転売する人が得をする。
お金とは価値であり、モノの価値との対価として支払われる。
無理やり付ける希少価値に本当の意味での価値はない。
だけど、資本主義の国で市場は需要と供給のバランスで成り立っている以上、今現在は画期的な対策はなく、法律かメーカーの規制などが望まれる。
これが転売です。
転売の対策は?
欲しい商品がある程度決まっていて、発売時期や購入する時期が決まっているのであれば、あらかじめ発売される前に情報を収集し、店頭、もしくは定価で販売しているネットショップで予約することが最善です。
転売とせどりは別?
競取り(せどり)という言葉がありますが、転売とは微妙に意味が異なります。
せどり(競取り、糶取り)とは、『同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ること。また、それを業とする人(三省堂 大辞林より)』を指すが、一般的には古本用語を元にした「掘り出し物を第三者に販売して利ざやを稼ぐ」商行為を指す言葉。
ウィキペディアより
ようはある場所では日の目を浴びていない商品を、求められている別の場所へ提供し、手数料をとることです。
この場合は消費者からみても、販売する側からみても、せどりをする方にとってもWinWinの関係にあるといえるでしょう。
そしてこのせどり的な需要と供給のバランスのとり方を自動でする仕組みが世の中にはすでに存在していることをご存知でしょうか?
次はその仕組みについてご紹介します。
ダイナミックプライシング(変動価格性)とは?
AIやビッグデータなどのテクノロジーを活用し、需要と共有に合わせ適切な価格を設定する手法です。せどりと異なる点はメーカーや小売側が価格を設定できるところで、利益を最大化できる価格を算出します。
モノの価値を基準として、さらに商品在庫、売れ行き、サービスの利用状況、市況、競合他社の動向など、従来のマーケティングにも使われる基本的なデータだけではなく、天候や周囲で行われるイベント、ソーシャルメディアにおけるトレンドといった細かなデータをフル活用して需要を見極め、時価を加減するイメージです。
ダイナミックプライシングの導入例
- 繁忙期のホテルや新幹線、飛行機の料金
- USJ
- スポーツ観戦のチケット
- アメリカではUber、Amazon、ウォルマートなどの企業
- スーパーやコンビニなどの賞味期限間近の値下げの仕組みに応用
ダイナミックプライシングのメリット、デメリット
消費者側のメリット
需要によって価格が高騰するため売り切れることが減る
需要がさがると価格もさがる
スポーツ観戦やコンサートで座席ごとにチケット料金が変わる場合は、見やすさを取るか安さを取るか選ぶこともでき、天候によってはさらに変動するなど、リアルタイムで選択肢がさらに広がる。
企業側のメリット
つねに適正価格で販売できるため在庫が過剰になりにくい
利益を最大限確保できる
モノやサービスが転売されにくくなる
消費側のデメリット
定価で購入していた商品価格が高騰する可能性がある
大型連休などの繁忙期は通行料金や各種サービスの価格が高騰する
企業側のデメリット
先行投資が必要
価格を適正化するためのデータの収集、活用が簡単ではない
値上げしすぎると逆効果
まとめ
発売後まもなく価格が高騰してしまう商品は転売で買い占められている可能性があるので、そうなってしまったら時すでに遅し。
本当に欲しいものは事前に商品の情報を集め、予約したほうが良い。
ダイナミックプライシングという変動価格性が活用されてきている。
経済産業省は実証実験を経て、2025年までにコンビニの商品すべてにユニクロで実用化されているような電子タグを取り付けるよう進めており、ダイナミックプライシングに積極的です。
雨が降ると傘の価格は高騰するけど、欲しい人はそれでも買うでしょう。
転売と異なることは、そこに無理やり付けられた希少価値はないということと
利益はメーカー、または小売店に還元されるということ。
これによって定価がより手ごろな価格になることもあるでしょう。
近い将来消費者にとってよりわかりやすく適切な制度ができることを切に願います。
以上
最後までお読みいただきありがとうございました!