最近、特に需要が増えなかなか手に入りにくくなってしまった体温計。
普段使っていなかった人が使う機会が増え、様々なトラブルが発生しています。
今回はそんな体温計について、ご自身がトラブルに巻き込まれないよう
ご自身がトラブルの原因になってしまわないよう
体温計についてのアレコレをまとめていきます。
体温計の種類、仕組み、測定、精度について【測定時間の違いは仕組みの違い】
水銀体温計
水銀体温計は本体がガラス製のものが多く水銀が埋め込まれていて、その水銀を温めることによって、水銀が膨張し、温度を測れる仕組みになっています。後述しますが、測定には10分程度時間を要する実測式の体温計となります。
正確な体温を計測できるメリットはありますが、デメリットとして測定に時間がかかること、ガラス製の為割れやすく、中に入っている水銀が有毒だということがあげられます。
もし本体を落としてしまい、周囲に水銀をまき散らしてしまうと人体に悪影響を及ぼすばかりか、環境を汚染することにも繋がる為、この水銀体温計は水銀汚染防止法により2020年12月31日から製造、販売が禁止される予定になっています。
電子体温計
電子体温計は、先端部に温度センサーが埋められていて、この部分が温められることによって体温を測定しています。
こちらも後述しますが、実測式、予測式のモノがあり、もっとも一般的な体温計といえるでしょう。
体温計の種類【実測式と予測式の違い】
実測式…体温計に伝わる熱を測定して表示するタイプ。
実測式の検温時間…口の中で測定する場合5分以上、脇に挟んで測定する場合10分以上となっています。
予測式…体温計に伝わる熱を測定し、10分後に到達するであろう温度をあらかじめ組み込まれた演算機能で計算し、短時間でその予測温度をを表示するタイプ。※演算機能はあらかじめ計測する部位によって設定されているので、事前に確認しておく必要があります。脇で測定するものがほとんどです。
予測式の検温時間…早いものだと20~30秒、1分程度で測定できます。
実測式の検温時間はJIS規格でも規定されているので覚えていて損はないでしょう。
また実測式は上記の通りの時間を要するので、もし今お使いの体温計が数分で測定できるタイプであれば予測式であるといえるでしょう。
体温計の裏の詳細が記載されているシールなどがあれば、実測式、予測式の記載がありますので、確認してみてください。
体温計の精度
実測式と予測式を比較すれば、実測式の方が正しい測定ができます。
最近はあまり見なくなりましたが、昔ながらの水銀が入った体温計が一番正しいとの声もありますし、病院では未だに多く使われている印象もありますが、これは正しい測定が必要な医療現場だからということが関係しているのだと思います。
予測式は測定している時間の計測部位の温度に影響をうけるので、何らかの外的要因で一時的に温度が変化してしまった際、誤差が大きくなってしまう可能性があります。
予測式の体温計でも実測できる可能性あり!
正確な温度を測定したい!でも今現在手元には予測式しかない…
そんな時はピピピと測定が終了したあとも、体温計をそのままにして測定を継続してみてください。
予測式の体温計でも10分測定していれば、再度ピピピと測定終了の音がなり、実測した体温を表示できるものもあります。
私が今現在手元にあるシチズンの電子体温計CTE501は体温計の裏面に予測式と記載されていますが、10分間測定していたらしっかりもう一度測定終了音が鳴りました!
結果は予測表示と同じでしたので、予測でもしっかり測定できている印象をもちました。
非接触型赤外線体温計
非接触型赤外線体温計は、物体が放っている赤外線を赤外線センサーで測定し、演算により体温を表示しています。主に額に向けて測定を行うものが多いです。
昨今の事情により、通常の体温計が品薄になってきていますが、こちらの非接触型赤外線体温計はAmazonなどのインターネットショップで手軽に購入することができます。
使用するにあたってのメリットは、測定が早いこと、体に触れずに測定ができることがあげられます。
ですが、デメリットとして電子体温計と比べて測定精度が低いことと、比較的に価格が高いこと、国産のものはほとんどなく説明書が外国語のままであったり、初期不良が多かったりと購入したあとのサポート面では不安と言わざるを得ません。
測定する際の体温計を向ける場所や、体からの距離によっても測定温度は変動します。
耳式体温計
耳式体温計も赤外線体温計と同様に体から発する赤外線を赤外線センサーで測定します。
耳式の場合は耳の中の鼓膜から赤外線を測定するため、このように呼ばれています。
耳式体温計のメリットは鼓膜という外気に触れていない部位を、外気温の影響を受けることなく測定できること、早いもので1秒~数秒で測定できる早さがあげられます。
しかしながら、デメリットとして、前述した赤外線体温計と同様、測定の精度は電子体温計にはかないませんし、耳の中に体温計を少し挿入して耳の鼓膜の赤外線を測定しなければいけないので、耳へ挿入する向き、角度によっても結果が変わってしまいます。
体温の正しい計り方
朝目覚めて体調がすぐれないからといって、布団に入ったまま脇に体温計を挟み測定してしまうと、正確な体温を測定できません。
それは布団の中に熱がこもっているからです。また飲食後や入浴後、運動後については、通常より体温が上昇しやすいため正確な体温が測定できない場合があります。
脇で体温を計測するため、体温計を差し込む際にも注意するべき点があります。それは体温計の先端の位置と角度です。
首元から脇に向かって差し込むと、体温計の先端は脇の中心部から外れてしまい、体内の温度を測れず、さらには外気の影響を受けやすくなってしまいます。
正しい測定をするためには、首元からではなく、お腹から脇に向かって体温計を差し込み、先端を脇の中心部に当て、45度くらいの角度で挟みこむようにしましょう。こうすることによってスキマがなくなり、挟んだ場所が体内と同じ温度まで上昇します。
体温計を連続して使う場合は、1分程度の間隔をあけ、体温計の先端部の温度が下がってから測定しましょう。予測式の体温計の場合特に注意が必要です。
体温の平均値
日本人の成人で脇の下の平均体温は36.6℃前後、幼児、子供は37℃前後といわれていますが、もっと低いとのデータもあり一概にまとめることはできないかもしれません。
家族や知人の平均体温をきいたことはありますか?
もし、34℃台後半や35℃台前半が平熱と答える人がいたら、ぜひ今使っている体温計とは別の体温計で測定することを勧めてください。もしかしたら、その体温計が狂っているかもしれません。
感染症の症状を把握する目安に体温があげられていることから、できるだけ正しい体温を計測することが望まれていると思います。
もし他に体温計がなければ、日々の体温をしっかりと把握し、ご自身がいつも測定して表示されている温度からどの程度増減しているかを注視するべきでしょう。
ただし、体温は1日の中で 0.2~0.4℃ 上下しますのでその点も考慮する必要がありますね。
発熱と呼ぶのは何℃くらいから?
医学的な発熱状態は
「37.1℃~38℃は微熱」
「38.1℃~38.5℃は軽度発熱」、「38.6℃~39℃は中程度発熱」
「39.1℃以上を高熱」
と分類されています。
※37.0℃でも、平均的な平熱の範囲内とみなされることもありますし、平均体温が低い方にとっては発熱とされる場合もあります。
体温計をアマゾンで購入する際の4つの注意点
最近では店頭で売り切れていても、アマゾンで購入することができるものがあります。
しかしながら、アマゾンで購入する際は気を付けなければいけないことがあります。
次のような商品には注意しましょう。
- 日本語がおかしい
- レビューが0件
- 発送元が国外
- メーカーでは在庫切れの製品をメーカー以外の業者が販売
1.まずは書品説明をしっかりと確認しましょう。よく見てみるとおかしな日本語で書かれている製品が沢山みつかります。
2.レビューが全くない商品は疑った方がいいです。販売の実績があれば多かれ少なかれ良し悪しの感想はあって当然です。
3.販売者をクリックすると販売者の情報が確認できます。ここだけの情報では正直判断は難しいですが、販売者が国内であればいくらかは安心できるかもしれません。
4.商品を検索してメーカーの販売している商品にたどり着いたら、ここでも売り切れ…でも同じ商品が別の販売者から購入することが出来る場合があります。この場合は本当にメーカー品かどうかの判断ができないことと、価格が不正につり上げられている可能性もありますのでご注意ください。
体温計まとめ
- 体温計には水銀、電子、赤外線の種類がある
- 水銀体温計は法律により2020年12月31日で製造、販売終了
- 電子体温計には実測式、予測式がある
- 体温計を差し込む位置と角度に注意(スキマをつくらいない)
- 赤外線体温計は早くて便利だけど、精度が微妙で高価
- 発熱の基準は人それぞれ。自身の平熱を把握し、日々の変化をみる
- アマゾンでの体温計の購入は慎重に!
勤め先の従業員で平熱が34℃後半とおっしゃるご年配の方がいらっしゃいましたが、非接触型赤外線体温計で測定したところ36.3℃でした。
私が自分の電子体温計で自分の体温を測定(予測式)し、その後この従業員と同じ非接触型赤外線体温計で測定したところ、電子体温計の表示温度が36.7℃、非接触型赤外線体温計の表示は36.9℃でした。
私が使用している電子体温計との差は0.2℃しかなかったので、この従業員の使っている体温計はもしかしたら狂っているのでは?と思い、今回執筆することにしました。
この記事がどなたかの役にたてれば幸いです。
それでは
最後までお読みいただきありがとうございました!