殺菌剤として様々な食材(野菜や卵等)の消毒に利用されている次亜塩素酸水ですが、最近の”流行り”により、アルコールに代用できる殺菌剤として注目されています。
今回はこの次亜塩素酸水について調べてみたところ、一般的な知識としては消毒できることは知っていたものの、詳細については知らないことが沢山ありましたので、解説していきます。
間違いの多い次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液
次亜塩素酸水について 2020.6.3 追記
以前からこちらの記事で次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違いについてと
購入時の注意点等を発信しておりました。
感染症拡大に伴い、普段利用していなかった一般の方にとって非常に判断しにくい上記2種の違いですが、
やはり販売業者によっては次亜塩素酸ナトリウムを次亜塩素酸水として販売していたのではないか?と
疑われるような事例が発生しているようです。
その多くの事例をうけ、2020年5月29日にNITE(製品評価技術基盤機構)より、「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(ファクトシート)の中間発表がありました。
その内容をおおまかにまとめると
”次亜塩素酸水のコロナウイルスに対する有効性は確認されていない”
”消毒剤は空気中に散布するべきではない”
とのこと。
しかしながら、この
”消毒剤”
については詳しく言及されていません。
出だしの文章をみる限りでは次亜塩素酸水について記載されてはいるものの
実際に人体になんらかの影響があったと報告されている消毒剤が
次亜塩素酸ナトリウムなのか、次亜塩素酸水なのかを区別していない、
区別できていないのが現状のようです。
メーカー側が次亜塩素酸ナトリウムを次亜塩素酸水と謳って販売している可能性もあるためかと思います。
購入する際は販売メーカーのホームページ等を確認し、
販売会社とは別の機関にて分析を行い
その結果を公開しているかどうかを確認してください。
ちなみにこちらがこの記事で紹介している商品の検査結果画像です。(HPで公開されています)
それだけでも次亜塩素酸ナトリウムを次亜塩素酸水として購入してしまうことを大きく減らすことができるはずです。
この記事でおススメしている次亜塩素酸水の販売メーカーが見解をだしているので、
こちらも参考にしてみてください。
株式会社オーケンウォーター 除菌水ジーア事業部 【重要なお知らせ】
詳しくはこのお知らせをみると記載されていますが、
この除菌水ジーアについては、メーカー側への健康被害の影響の報告はなかったとありますし、
引き続き「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(ファクトシート)(NITE=製品評価技術基盤機構)の科学的根拠および、最終報告がでるまで、引き続き安全性の確認を行って参ります。
ともありますので、アレルギー体質の方でなければ危険性はないものと発表しています。
しかしながら、このジーアは雑貨として販売しているための制約のため
効果の保証を謳えないとのことです。
ただし、ファクトシートの最終報告で、次亜塩素酸水の噴霧および新型コロナウイルスの安全性・有効性が認められたとしても、除菌水ジーアは、雑貨の区分の商品で販売しているため、特定ウイルスや菌に対しては有効性がある事や、安全を保障するということを、薬機法などにおいて保健所(厚労省)から禁止されているためできないことをご了承ください。
除菌水ジーア(空間除菌)のデメリットとメリット
除菌水ジーアの口コミはあまりみられませんがツイッターなどのデメリット情報をまとめると
- 定期購入のみ(2年契約で更新月以外の解約は10,000円)
- 新型コロナウイルスに本当に効果があるのわからない
- 安全性は?効果が目でみえない(使用者が効果を実感しにくい)
- 次亜塩素酸水は保存期間が短い(6ヶ月ほど)※
※次亜塩素酸水の特性として紫外線や保管日数で分解します。
メリットとしてあげられるのは
- 定期購入なので安定した供給が受けられる
- 除菌効果に対する外部機関の分析結果報告書を公開している
- 健康被害をうったえるような口コミは見当たらない
- 消臭効果は実感できる
今だけ!の3大キャンペーンも実施中です。
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- 2種類から選べる専用の超音波加湿器が無料でプレゼント!
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除菌水ジーア(空間除菌)製品情報
購入の仕組み | 2年契約 |
4週間毎(3.2L×3袋)の金額 | 3,900円 |
1日あたりの金額 | 約140円 |
配送頻度の変更 | 可能 |
契約から2年かつ出荷回数26回満了前に途中解約した場合、解約違約金が発生 | 10,000円 |
また次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違いについては下記過去記事をご覧ください。
↓↓↓↓↓↓ 以下過去記事です ↓↓↓↓↓↓
そもそも、次亜塩素酸水ときいて、一般的に連想されることが多いのは
次亜塩素酸ナトリウム水溶液
です。
塩素系漂白剤に含まれていますね。
え?
次亜塩素酸ナトリウム水溶液と次亜塩素酸水はなにか違うの?
と思いますよね?
用途はほぼ同じですが、液体中の主成分(殺菌作用のある有効成分)が大きくことなります!
以下 厚生労働省からの次亜塩素酸水に関する引用です
概要
本品は殺菌料の一種であり、 わが国では平成 14 年 6 月に食品添加物として指定され、使用基準及び成分規格が定められている。
定 義
本品は,塩酸又は塩化ナトリウム水溶液を電解することにより得られ る,次亜塩素酸を主成分とする水溶液である。
本品には,
・ 強酸性次亜塩素酸水(0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽(隔膜で隔 てられた陽極及び陰極により構成されたものをいう。)内で電解して,陽極側から 得られる水溶液をいう。) pH2.7 以下
・弱酸性次亜塩素酸水(適切な濃度の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽(隔膜 で隔てられた陽極及び陰極により構成されたものをいう。)内で電解して、陽極側 から得られる水溶液または、陽極から得られる水溶液に陰極から得られる水溶液 を加えたものをいう。) pH2.7~5.0
・微酸性次亜塩素酸水(塩酸及び必要に応じ塩化ナトリウム水溶液を加え適切 な濃度に調整した水溶液を無隔膜電解槽(隔膜で隔てられていない陽極及び陰極で 構成されたものをいう。)内で電解して得られる水溶液をいう。)がある。 pH5.0~6.5
含 量
強酸性次亜塩素酸水 本品は,有効塩素 20~60mg/kg を含む。
弱酸性次亜塩素酸水 本品は,有効塩素 10~60mg/kg を含む。
微酸性次亜塩素酸水 本品は,有効塩素 10~80mg/kg を含む。
性 状
本品は,無色の液体で,においがないか又はわずかに塩素のにおいがある。
厚生労働省 次亜塩素酸水より
結局次亜塩素酸を主成分としているから同じじゃないの?
私もそう思いました。しかしながら、前述したとおり大きく異なることがあるのです。
では次に次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムを比較したデータをご紹介しましょう。
次亜塩素酸水(HOCL)と次亜塩素酸ナトリウム(OCL-)比較
次亜塩素酸は、pH に依存して、その存在状態が異なり、pH が高くなるにつれ、塩素ガス(Cl2)、次亜塩素酸(HClO)、 次亜塩素酸イオン(ClO-)と存在状態が変化します。
厚生労働省 次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性 に関する資料
上記資料の内容を要約すると下記のようにまとめられます。表は上記資料から
生成原理・方法における類似性
強酸性次亜塩素酸水の生成原理…0.2%以下の食塩水を有隔膜二室型電解槽において電解により生成
次亜塩素酸ナトリウムの生成原理…高濃度(飽和)食塩水を無隔膜 一室型電解槽において電解することにより生成
下記の表1の左側が強酸性次亜塩素酸水で右側が次亜塩素酸ナトリウム水溶液です。HOCL(次亜塩素酸)、OCL-(次亜塩素酸イオン)の割合が見て取れます。表2ではそれぞれのPHでの名称がまとめられています。
表3では次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの抗菌の比較です。
注目していただきたいのは表1でも補足されていますが、抗菌作用だけではなく、抗菌作用を及ぼす濃度です。
次亜塩素酸水は40ppm、次亜塩素酸ナトリウムは1000ppmと次亜塩素酸水の方が薄い濃度で効果が得られているのがわかります。
表4は特徴の比較です。
次亜塩素酸水は有機物接触した際、反応が早いため、すぐに効果がなくなってしまうことから”次亜塩素酸水が新鮮なうちに流水洗浄”と明記されています。
そして次亜塩素酸(次亜塩素酸水)と次亜塩素酸イオン(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)には表4のほかにも下記表のような違いがあります。
次亜塩素酸水 | 次亜塩素酸ナトリウム | |
---|---|---|
臭い | 基本的に無臭 | 強烈な塩素臭(濃度による) |
速効性 | あり | 次亜塩素酸水より劣る |
刺激性 | なし | 刺激性あり。酸との混合で有毒ガスが発生 |
腐食性 | なし | あり(鉄製容器は使用不可) |
消臭 | 効果あり | 塩素臭が残る(濃度、すすぎ状況による) |
pH | ~6.5以下 | およそ9.0以上(市販品の多くは劣化速度抑制のため、11以上) |
希釈 | 基本的にしない (10~80ppm) | する(市販品の多くは6~12%の濃度、ppmだと60,000~120,000ppm) |
劣化 | 自然分解あり 温度が高いほど劣化が加速 pHが低いほど劣化が加速 紫外線分解あり | 自然分解あり 温度が高いほど劣化が加速 pHが低いほど劣化が加速 紫外線分解あり |
色 | ほぼ無色 | 濃度が濃くなるにつれ黄色が濃くなる |
次亜塩素酸ナトリウムは塩素系漂白剤に使われており、皮膚に対して刺激が強いので、必ずビニール手袋などをして直接皮膚に触れないようにする必要があります。
さてここまでくると何度もでてくるppmが気になりますよね?
次亜塩素酸水の濃度表示に使われているppmとは?
繰り返しになりますがppmは液体の濃度の割合を表す単位で
1ppmが100万分の1(0.0001%)を表します。
下記に早見表をつくったので参考までに。
ppm | % |
100万ppm | 100% |
10万ppm | 10% |
1万ppm | 1% |
1,000ppm | 0.1% |
200ppm | 0.02% |
10ppm | 0.001% |
1ppm | 0.0001% |
次亜塩素酸水購入の際の注意点!
さてここまで次亜塩素酸水についてお話してきましたが、次亜塩素酸水を利用したい!そう考えたときの入手手段として考えられるのはインターネット通販と、次亜塩素酸水を生成する機器を購入するかの2択になります。
一般的には、インターネット通販での購入が多いでしょう。
そうなってくると気を付けたいのが、
商品名が次亜塩素酸水となっているけど
実際の中身は次亜塩素酸ナトリウム水溶液の商品です。
ネット通販のサイトをいくつか見ても、沢山見つかります。
注目するポイントをあげると
- 次亜塩素酸ナトリウムの表記がどこにもないこと
- 工場出荷時のpHが表記されている
- 使用期限が表記されている
- 生成方法が表記されている
- 有効塩素濃度が表記されている
- 次亜塩素酸水の名前で安価なものは疑う
- 次亜塩素酸ナトリウムとは別物であるむねの表記
- 微酸性電解水表記があると信ぴょう性があり
ほかにも微酸性の次亜塩素酸水は人体にはほぼ害はないとされていますので、次亜塩素酸水をうたっているのにも関わらず、人体に害があると表記しているものは、次亜塩素酸ナトリウムを希釈しただけの可能性もあるため注意が必要です。
私が調べた限りではありますが、高濃度の次亜塩素酸水は分解劣化が早いので、希釈して使用することは難しいのではないかと思いますが、ネット上では高濃度で希釈ができる次亜塩素酸水が数多くあるので疑問に感じてしまいます。
購入を検討されている方は、購入前に商品説明を熟読することをおすすめします。
証明書もついていておススメの微酸性次亜塩素酸水希釈せずにそのまま使える次亜塩素酸水、除菌水ジーア
次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム水溶液のまとめ
次亜塩素酸水は厚生労働省が認めた殺菌効果のある食品添加物
次亜塩素酸水には3種類あり強・弱・微酸性に分類される。
アルカリ性であれば次亜塩素酸ナトリウム水溶液
殺菌効果は次亜塩素酸ナトリウム水溶液よりも次亜塩素酸水の方が高く、即効性もある
次亜塩素酸水は人体への悪影響が少ない
ネット通販や世間ではこの2種類がごちゃ混ぜになった認識がある
どちらにしても高温で劣化速度が上昇し、紫外線によっても劣化する
次亜塩素酸ナトリウム水溶液は明確な塩素臭、肌に付着した際は炎症を起こす、鉄を腐食させる特徴がある
この期に及んで次亜塩素酸ナトリウム水溶液を希釈したものを次亜塩素酸水として販売する業者もいる
以上のことは認識しておきましょう!
そして次亜塩素酸は殺菌・ウイルス除去に効果があり、かつ作用後は水に戻るため安全に使用できるといえます。体内の白血球でも生成されており動物が身を守るために備えた生体防御としての機能も持ち合わせているようです。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液とは別物であるとしっかりと区別し
誤った商品を購入しないように注意しましょう。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液でも特徴を理解していれば安価で入手することができるので、どれが次亜塩素酸水でどれが次亜塩素酸ナトリウム水溶液かを判断できるようになると選択の幅をひろげることができるでしょう。
今回調べていて気になった点(本題とは離れます)
ネット通販の価格は一定ではないことをご存じではない方が非常に多い!
ネット通販に商品をのせる販売者は、その商品が何日でいくつどの程度の価格で販売の実績があるかを確認して価格を設定できるようになっています。
ですから、現在騒がれているマスクのようにネット通販では需要と供給のバランスが崩れ価格が上昇してしまうのは、ごく自然な流れであることを肝に銘じておくべきです。
それでは!
最後までお読みいただきありがとうございました!